
画像:引用したオリジナルの画像の出典です
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診察室でお会いする患者さんで、長年通院している方から私の健康法について尋ねられることがあります。そんな時お答えするのは皆さんにいつもお話ししていることと少しも違いません。今日は私自身の健康管理についてお話ししてみます。
ミュンヘンの目抜き通りを旅行中の筆者。1960年代の古い名レンズを付けたデジカメで撮り歩いてます。私の体格がBMI22(176cm, 68Kg)です。日本人の標準体型です。私をサンプルにBMI22の体型を想像して下さい。運動量が多く筋肉質の方はこの基準ではありません。普通の生活で普通の運動量の場合の基準です。
BMI=体重Kg/(身長mX身長m)、21.9=68Kg/(1.76m*1.76m)
まず体重を目標の値に維持すること、適度な運動を日常生活の中に組み込んで継続して続けること、食事や間食の総摂取カロリーについては体重が目標値を超えない程度にとどめておくこと、食事の内容は炭水化物、タンパク質、脂質のバランスをおおよそ6,2,2にすること、野菜を毎日適度に摂ること、体の筋肉が減る速度が速くなった年齢ですから筋肉量の維持のためにタンパク質を意識的に多めに摂ること等です。
佳子先生は毎日、部屋で体操しています。私は下半身の筋力の衰えを防ぐために、最近日本整形外科学会が提唱しているロコモーション・トレーニングを出来るだ け毎日やるようにしています。最低限の運動でしょう。7年前くらいから、週一回ですがトレッドミル、全身の筋トレ、ストレッチ運動を合計で2~3時間ほ どしています。一人で黙々とやっています。
体重の維持が最も大切だと思っていますから、毎日起床直後に体重を測ることを習慣にしています。そしてその体重をノートに記録しておきます。後から確認するためです。
血圧はむしろ低い方なので血圧については特に何もしていません。コレステロールと血糖値はいつも皆さんにお話しする通り、LDL-C/HDL-Cは2以下に、HbA1Cは5.7以下に、食後2時間の血糖値は120以下に、などを目標にして毎月血液検査をしながらその値の経過をチェックしています。
当然、肝機能や腎機能などいつも皆さんに検査しているのと同じデータを見ています。そしてすべてのデータが完全に正常値にあるよう調整しています。変化があればただちに介入します。当院に通院し健康管理している患者さんには、この方法がよく理解できると思います。
佳子先生が三度の食事をすべて配慮して作ってくれますので、佳子先生にまったくお任せで出されたものをそのまま食べています。月に数回は佳子先生と外食することがありますが、その時ももちろん例外ではなく、カロリーやコレステロールの摂りすぎに十分注意して特に食べ過ぎない様に心掛けています。
家庭でも腹八分で、外食でもそれより少し多い程度です。外食でお腹いっぱい食べることはまずありません。たまに何かのお祝いの会食で凄い御馳走が出されても、勿体ないですが残すようにして過食にならないようにしています。
この年齢になりますと、本当に残念ですが、量が食べられなくなります。若い時にはいくら食べても体重がちっとも増えない体質だったのですが、今では少し多めに食べる日が続きますと簡単に増えてしまいます。一旦増えますとご存知のように減らすのは大変ですから、とにかく食事の食べ過ぎを戒めています。皆さんが私の三度の食事内容を見ると「こんなに少ないのですか!」と驚かれると思います。
食べようと思っても胃にあまり入らなくなっているのと、美味しいものを食べたいという強い欲望がなくなっています。幸いと言ってよいかも知れません。
若いころはかなりのヘビー・スモーカーでしたが、30年ほど前にタバコは完全にやめました。長年酒は外での付き合い程度だったのですが、最近になって晩酌を始めました。日本酒1合程度です。外では今でも付き合い程度です。日本酒で2合を超えると酔ってしまい、もう飲めません。そんな程度です。
最後に最も重要な体重のことです。当院では身長と体重から計算する国際的な体格の指標BMIを基準にして、最適体重を判断することにしています。日本人は痩せている方が健康になれる民族的特徴があります。20歳前後ではBMIが20程度ですから、中年以後はそれより少し多い22あたりを目安にします。
私自身も、このBMI22あたり以下を自分の健康を維持する大きな目標としています。現在私の身長は176cmですから、体重が68KgでBMIは22となります。今私はその程度です。現在の私の体格がBMI22位の体型です。BMI22の体格を想像できなければ、私の身体がそうだと理解ください。私自身が皆さんのサンプルになっています。
以上まとめますと、私の健康管理の要点は
食事は「バランスがとれた食事」とします。コレステロールやカロリーの取り過ぎには特に注意しています。いわゆる「美食」ならコレステロールやカロリーが多過ぎます。三食ともバランスを良くして少量で簡単な食事にしています。間食は極力少なめにしています。カロリーを控えた典型的な和食の一汁一菜より一品多いほどが健康的な食事です。
長 年、家族4人全員(佳子先生と子供2人)で週一回のテニス等を2時間くらい続けていました。しかし今は子供たちも独立しましたので、その後は私と佳子先生だけで運動を続けています。運動は継続が最も大切ですから、定期的にほとんど欠かさず継続しています。
月に一回は定期的に血液検査と尿検査をします。肝臓、腎臓、コレステロール、糖尿病、貧血等のデータをチェックし、異常値がないか変化したデータがないかを確認します。もし異常や変化したデータが見つかれば、原因と対策を考えて直ちに追加検査や薬や生活習慣を軌道修正します。毎月このようなチェックを入れることにより、症状がなく気付かないうちに体の微妙な変化をいち早く察知し、迅速な介入をすることができるので、発症前の早期に予防対策をとることが出来るのです。
夜、診察後に仕事の雑務が終わっても、夕食後に完全にリラックスできるわけではありません。テレビや新聞はほとんど見ませんので、パソコンやスマホを使ってネットでその日の出来事をチェックしています。その後には趣味や当院のホームページの仕事などで深夜まで時間を使います。睡眠時間は最低5時間は取るようにしています。
リラックスして気分転換が必要な時には、趣味の1960年代のクラシック・カメラ・レンズやクラシック腕時計(中古レンズ、中古カメラや中古腕時計)の本などを読んだり、関係のネットを見たりします。休日には必ず運動をして、時に佳子先生と一緒に車で少し遠くにドライブに行きます。佳子先生は毎日の運動とバレエやオペラのビデオやネットをよく鑑賞しています。
職業柄、多数の感染患者さんと接しますので、診察の合間にはうがいや手洗いをこまめにしています。規則正しいリズムの生活を守り、過労を避けています。それでも体調を崩した時は、早めに薬を飲み軽いうちに治してしまいます。幸い自宅に十分な薬があるので、治すのも簡単です。早く治して診察は休まず、皆さんに迷惑とならないように努力しています。
ここに開院して20年以上になりましたが、幸いこれまで病気で休診したことはほとんどありません。丈夫な体に生んでくれた両親に感謝しています。
以上ここで書いた健康法は、すべて「けやき坂スタイル」にもっと詳しくまとめてあります。そちらもお読みくだされば理解がより深まると思います。