超高齢85歳以上で元気な人は健康長寿者
超高齢と言われる85歳以上になっても健康で自立した生活を送っている方を「健康長寿者」と言います。歳をとっても他人の世話にならずに自立して生きていく、こんな人生を送りたいものと願っている人は多いと思います。当院ではこのように生きている人が110人以上通院しています。
この患者さんたちは10年から20年近く前から当クリニックに通院されている人ばかりです。長く診察を続けてきてその人たちの生活ぶりをつぶさに拝見しています。
どなたも元気に定期的に通院されています。 この様な人生を送られている人々を拝見していると、その皆さんに共通した点が幾つか見られます。その一つは超高齢まで続くこんな生涯元気な人生は決して偶然に運よく得られたわけではないことを教えてくれます。
健康長寿者は健康を求め続けた人々
健康にまったく配慮せず気楽にしたいようにして人生を生きた人では健康長寿者に少ないように思います。
他の生活の面では分かりませんが、少なくとも健康に関してはよく考えて私たちから良いと言われたことはキッチリと実行し定期的な通院を欠かさず定期的な検査を受け処方された薬は真面目に忘れず服用し散歩など適度な運動を欠かさず、食べ物も質・量とも良く配慮し、決して太り過ぎないよう心掛け、長い人生を生きてこられた人々です。
その生き方は、私たちから見てストイックと思うように真面目で実直です。こんな人は恐らく仕事や家庭の面でもキチンとしていたのだろうと推測します。
健康長寿者は偶然ではない
健康長寿者はその様な人が多いので、健康長寿者とは偶然になったものではないとつくづく思ってしまいます。多くの健康長寿者を長年診察する機会を持てたことは医者冥利に尽きる喜びと思います。
このような人々から私たちは多くのことを学びます。健康長寿者は長い人生で、健康というものを真面目に考えしっかり実行してきた人で実現するのではないかと思うようになりました。
体重を例にとると、太った人よりスリムな体型を維持している人の方が多いようです(→◆059 中高年で肥満なら、健康な85歳超は期待薄)。健康長寿は長い努力の積み重ねの最終成果であり「天からのご褒美」ではないかとも思います。決して棚ボタで偶然に得られたものではないと思います。
健康長寿者には、恵まれた最期が来る
この様な生活は誰にも出来る事ではないと思います。一部の人は「そこまでしないとなれない健康長寿者ならなれなくて結構」と考えるかも知れません。
人生はその人それぞれのものですから誰もその良し悪しを論評できません。しかしこのような健康長寿者には恵まれた人生最後が訪れることが多いというのが私の印象です。
健康長寿者では人生最後の幕が鮮やかにまた静かに閉じられるという傾向が強いのです。最後の最後まで元気に生活されて「いまそこでお茶を飲んで話していたのに・・」、ある瞬間突然人生を終わりにされるのです。ほとんど苦しみはないでしょう。突然一瞬にして穏やかに永眠されます。こんな人生の幕引きは望んで得られるものではありませんが多くの人は理想だと考えるでしょう。
そこまで鮮やかではありませんがロウソクが短くなり炎が自然に静かに消えていくように最後の最後まで燃焼した生命が短時間で穏やかに消えてしまうことも多いのです。元気だった人が風邪などで体調を崩しほんの数日から数週間で命の燃焼が尽きてしまうのです。このように人生が終わる姿を健康長寿者で多く見てきました。
幸せな終焉は天からのご褒美
人生最後のこんな幸せな終焉はまさに健康長寿者への「天からのご褒美」ではないかと考えています。
以下の「特集」も参考になると思います。