夏から秋は「食中毒の季節」
夏から秋にかけては食中毒がおきやすい季節になります。生ものは何であってもよく注意して下さい。
生ものの食材は要注意
当院の経験では食物による急性の感染性胃腸炎や肝炎などの「食あたり」をおこす食べ物で多いのは、「レバサシ」(肝臓の生食)と「肉の生食」が多数です。
特に若い人が好むらしく若い男性で「レバサシ」や「焼き肉の生食」を旨いといってよく食べる人におこります。
また鶏肉の生焼けでおこる感染性腸炎と生牡蠣を食べておこるノロウイルスの感染性腸炎やE型肝炎ウイルスの急性肝炎です。
レバサシ、生カキ、鶏肉の生焼けは特に注意
肝臓は体の中では毒を無毒化する工場の役割です。あらゆる毒素がここに集められて蓄積します。A型、B型、C型、E型のウイルス性肝炎は有名ですが、様々な未知のウイルスも肝臓細胞の中で生きている可能性があります。
動物の肝臓を生で食べると(レバサシ)、肝臓の中にあった有害有毒なウイルスや物質が破壊されずそのまま自分の体に入ってしまいます。そして「食あたり」のような病気になってしまいます。
「レバサシ」から急性肝炎に
最近では豚の「レバサシ」の2%からE型肝炎ウイルスが検出されてたとの報告もあります。イノシシの「レバサシ」を食べた1人が死亡、シカの生肉を食べた4人がE型肝炎を発症したなどのニュースもありました。
子供は抵抗力弱い、感染性腸炎になり易い
公衆衛生学会では、大阪市立環境科学研究所の北瀬照代氏から、市販の牛臓物の買い取り調査の結果、25%でO-157(オー157)が検出されたとの報告もあります。
特に子どもの消化管はまだ弱くてわずかな量のO-157でも重傷な腸管出血性大腸菌感染症にかかる可能性があるそうです。
ノロウイルスによる子供の急性腸炎である嘔吐下痢症も有名です。激しい嘔吐と下痢が続き体力が衰弱します。保育園で他の子供から、家庭では家族に感染するケースも多いようです。