便秘解消には、水溶性と非水溶性食物繊維が必要
今回は便秘改善を手助けする食事についてのお話です。
便秘には食物繊維が効果的ということは聞いたことがあると思います。それでは食物繊維はどのような食べ物があるのかということですが、その前に、まず食物繊維というものは水溶性食物繊維と非水溶性食物繊維に分けることができます。
水溶性食物繊維とは?
水溶性食物繊維とは植物の細胞内にある貯蔵物質や分泌物であり、水分保持能力が強いので便は水分とともに粘りのあるドロドロしたゼリー状となり、有害物質や老廃物、コレステロールを吸着し排出させる働きがあります。また水溶性食物繊維は腸内細菌のうち善玉細菌の餌となるため腸内環境を改善する働きもあります。
非水溶性食物繊維とは?
非水溶性食物繊維は水に溶けず、消化管内で水分を抱えこみ容積を増加させることで糞便の量を増やします。増えた便は腸壁を刺激して腸の蠕動運動を促進します。蠕動が亢進すれば消化管内の便の滞在時間を短縮させるので、蓄積せず効率よく食物の残りかすを体外に排出することができます。
水溶性、非水溶性食物繊維のバランスが大切
便秘で便は固くなり、便の回数が少なく、腸の動きがわるくなっている場合には、非水溶性繊維を取ることで腸の動きが改善され、水溶性食物繊維を取ることで水分を増やして便を軟かくします。この二つの食物繊維をバランスよく摂取することが、便秘の解消につながります。
食物繊維を摂取するバランスは、非水溶性:水溶性=2:1 が良いとされています。具体的に食物繊維は、1日に20g以上の摂取の目安とされています。実際に現代の日本人の摂取量は若者では13g以下、比較的摂取量の多いと言われる50-60歳代以上でも、摂取量は1日17g程度と言われています。
食物繊維が多い食品
それでは食物繊維が豊富に含まれる食べものをご紹介します。まず非水溶性食物繊維を含む食品は繊維質な野菜や穀類や豆類であり、ごぼう、筍、えんどう豆、ブロッコリー、トウモロコシ、小麦ふすま、そば、さつまいも、きのこ類、かぼちゃ、こんにゃくなどです。
水溶性食物繊維を多く含む食品は、野菜類や海藻類、きのこ類、果物、イモ類などがあり、大根、キャベツ、春菊、こんぶ、わかめ、ひじき、もずく、寒天、いちご、りんご、みかん、やまいもなどです。
そしてこれら2つの食物繊維を含む食品の代表格は、海藻類、大豆類、納豆、ごぼう、オクラ、ライ麦パンなどです。
和食が、便秘解消に近道
そのほか乳酸菌は体内の善玉菌を増やし腸内細菌環境を整えるので、乳酸菌を毎日続けて摂取することも大切です。
現代の食事は欧米化し、肉・乳製品食が増え、雑穀や玄米を食べる機会はなくなり精米されたお米になったため食物繊維の摂取量はかなり減少してしまいました。積極的にライ麦パンや全粒パン、雑穀米の摂取や、おかずには根菜、豆類や芋類、海藻類などを取り入れて摂取するよう心掛けることが必要です。
バランスのとれた和食生活にすることが便秘解消の近道と言えます。
次回は、「便秘解消のヒント 3.」をお話しする予定です。 ”彩子先生監修”