◆230 胸焼けで明け方目覚める。これって何の病気？：逆流性食道炎１

症状は？

逆流性食道炎の症状とはどのようなものでしょうか。

1.　胸焼け、胃の痛み
みぞおちのあたりがムカムカする、熱くなるように感じる、重苦しい感じや痛む、などが最も多い症状です。
寝ると食道に胃酸が逆流しやすくなります。食後すぐ横になると胃酸の逆流が誘発されやすく、同じ理由で夜中〜明け方にも胃酸の逆流が起き、胸焼けの症状で目がさめることがあります。

2.　胃酸の逆流
口の中に胃酸の苦味が込み上がってくる症状があります。

３.　のどの違和感
胃から上がってくる胃酸でのどに炎症が起こり、違和感や痛みを感じることがあります。

あなたはこの中であてはまることはありますか？

気になる原因は？

逆流性食道炎は様々な原因で起こります。
大まかに、食事に関する原因と、生活習慣に分かれます。
まず生活スタイルによって起こる原因について挙げていきます。

1.　ストレス
ストレスは逆流性食道炎の大きな原因の一つと言われています。
交感神経のバランスが崩れると胃酸の分泌が過多になり、胃炎や逆流性食道炎が引き起こされます。

2.　肥満、妊娠、加齢
肥満によって腹圧が高くなると、食道と胃のつなぎ目や胃の上部が横隔膜を超えて食道の方へ飛び出ることがあります。これによって胃から食道に胃酸が流れ込みやすくなります。腹圧がかかるという意味で妊娠期間中もやはり逆流性食道炎が起こりやすいとされます。また加齢で下部食道括約筋の働きが悪くなり、蠕動機能も低下することでも起こりますので、そのため以前は日本では逆流性食道炎は中年以降に多い病気とされていました。

3.　猫背
胃の位置が食道に近くなるような姿勢はやはり逆流性食道炎の誘引になります。前屈みや物を拾おうとして上半身を床に折り曲げる姿勢でもやはり起こります。

４.　飲酒、喫煙
アルコールにより下部食道括約筋が弛緩し、また刺激により胃酸分泌が増加します。さらにお酒の飲む機会は食べ過ぎの原因にもなっており、胃酸逆流に拍車がかかることになります。ニコチンは胃酸分泌過多を促進させ、また胃の蠕動機能を低下させるため、胃に長時間食物が残留するので胃の内容物が逆流しやすくなります。

起こるメカニズム

逆流性食道炎は、食道に胃から胃酸が逆流してしまうことによってもたらされる病気です。
まず食道は、口から入ってきた食べ物を胃に送る一方通行の消化管です。食道と胃の間には筋肉の下部食道括約筋があり、これは通常閉じていますが、食物が下部食道までくると食物を胃に送り出します。逆に胃の内圧が上がると筋肉を弛緩させ外にげっぷを出して、胃の内圧を減らす働きをします。ところがこの括約筋が持続的に緩んでいたり、胃酸の分泌が過剰に行われていると、胃酸が食道に流れ込みやすくなります。
胃液は、酸性度の強い塩酸と消化酵素が含まれ、硬い肉をも溶かす強力な液体です。そのため胃の粘膜は常にこの強い酸から身を守るための防御機構があります。しかし食道には胃のように自身の粘膜を守る機能を持っていないので、何かの原因で胃酸が食道に逆流が繰り返されていると、食道粘膜は傷つき炎症を起こしてしまうのです。

まとめ

今回は逆流性食道炎の症状と生活習慣による原因をお話ししました。次回は、食事に関する原因と、合併症に関してのお話しをします。

続く・・・

病気を上手に克服して、残り人生をより健康にするには・・・

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